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2010.09.03(Fri)


※女性向け表現があります。

ので、不快に思う方は前回同様閲覧はご遠慮ください。
よろしくお願いします。

ちなみに、ものすごくグダグダです・・・。
それでもよければどうぞ!






肩に七市の生ぬるい息がかかる。なんだか気持ち悪いと僕は思った。
七市の嗚咽が僕の耳元で聞こえる。

「いい加減、離してよ」
「い、やだ」

一体七市は何が悲しいのだろう?
僕は教室で七市が笑っているところしか見たことがない。
悩みもあるようには見えない。なんでだろう。僕は不思議だった。

「うっ、ずっ」

七市はまだ泣いている。悲しそうだな、とのんきに思う。
いまだ抵抗を続けているが、いい加減体も痛いし抵抗をやめることにした。
耳に七市の胸が当たる。七市のゆっくりとした鼓動が聞こえた。

「ねえ、なんで泣いているの」
「お前が、泣かないからだよ」
「それってどういう、」

言葉が途切れた。暖かな体温が僕から離れていく。
きつく背中に回されていた腕がほどけた。
気持ち悪いと思うのに、なんだか名残惜しかったように感じる。

「・・・ちゃんと、言うよ」
「なにを」
「俺が言いたかった言葉」
「・・・?」

意味深に笑って七市は言う。
僕は首をかしげる。

「俺、友達になりたいんだ。お前と」

それは、僕にとって衝撃の言葉だった。
目の前で何かが壊されるような、そんな効果音がつきそうなほどに。
今なら引き返せる。そう思って僕は嘘だと願ったんだ。

「何を、言って」

冗談ならよせ、と口だけが言った。いつのまにか口の中はからからだった。
僕は目を見開いて、ただ、そんな風に言った七市が得体のしれない何かになっていくようで怖かった。

「俺はちゃんと、お前と友達になりたい」

七市がそうやって優しく微笑んでそう言うから、僕は思わず泣きそうになってしまう。
まるで自分の心の中の闇にでも、触れられたような気分だった。
そして、こみあげてくるのは涙だけでなく、怒り。

「嘘、言うな!」

僕は激昂した。生まれて初めてこんなに大きな声を出したと思うくらいに大きな声だった。
七市はおびえているようにさえ、見えた。
こいつは何を言っているんだ。僕はとにかく怒りでいっぱいだった。
涙が零れ落ちる。

「お前らはいつもそればっかりだ!友達友達って!
僕のことを陰で笑っていたくせに!友達だなんて思っていなかったくせに!
それを今更、友達になってほしい?笑わせるのも大概にしろ!!」

何を悲しくて、こんなことを言っているんだろう。涙がひっきりなしに溢れてくる。
夕闇が僕を飲み込んでいく。点滅する街灯が、赤い夕暮れが、僕を犯していく。
もう何も言いたくない。もう思い出したくない。もう、生きていたく、ない。

「こん、の・・・」

七市はまた、寂しそうな顔をしていた。涙で赤い目で僕を見つめている。
いやだいやいだいやだ。僕をそんな目で見るな。僕を憐れむな。いやだ、ぼくは、

「思い出したくない、んだよぉ・・・」

そして僕は、一か月前のことを、思い出すんだ。


//


高校に入学したと同時に引っ越した僕は、学校で友達がなかなかできなかった。
陰気な性格も災いしたのだろう。クラスで僕に声をかけてくれる人は誰ひとりいなかった。
はじめのうちは、それでもいいと思っていた。しょうがないと思っていたんだ。
でも、一か月前に、クラスの男子の一人が僕に声をかけてきた。

「お前、いつも一人だな」

なんて嫌味なやつだと思った。無視すればいいものの、僕はそいつをじろりと見てしまった。
そいつは僕のそんな視線に気が付いたのか、ごめんごめんと謝ってきた。
そしてこう言ったんだ。

「なぁ、俺と友達になれねえ?一人でいるよりは楽しいと思うぜ」
「え・・・」
「俺、西谷。お前は?」
「・・・今野」
「今野か!うし、俺ら今日から友達な!」

高校に入って初めてできた、僕の友達だった。


それから僕と西谷は一緒に弁当を食べたり、放課後遊んだりするようになった。
幸せ、だった。僕は幸せだった。
そんな幸せも、偽物だとすぐに気づくけれど。

確かにその日は奇妙だった。いつも一緒に帰ろうと誘ってきた西谷が先に帰ってしまったのだ。
僕はしょうがない、と思い一人で帰ることにした。
しかし、運悪く担任にプリント運びを命ぜられてしまい、教室に鞄を置いたままプリントを運びに行ってしまった。そして僕は鞄を取りに教室まで行った。
今思えば、それが絶望の始まりだったんだろうな。

教室のドアに手をかけた瞬間、西谷の声がした。
(西谷・・・・?)
不審に思った瞬間、僕は、絶望を見た。正確には、聞いた。

「おい、西谷。お前最近どーなのよ」
「えー?どうってなんだよ」
「今野だよ、今野」

見知らぬクラスメイトが僕の名前を口にした。
僕の体に嫌な予感が突き抜ける。

「あいつね、ほんっとバカ。のろのろ動きはおせーし。マジきもい」
「うわ、まじかよ!」
「マジマジ!てかさー、もう罰ゲーム期間終わったじゃん。もう友達のふりしなくていいよな?」
「今野マジ涙目!うける!」
「あいつの行動のキモさは半端ねえから!」

ぎゃはは、と下卑た笑いがドアの向こうで聞こえる。
僕は、放心しかけていた。何が起こっているのか理解できなかった。
すると僕の目の前のドアがいきなり開いた。

「それでさー・・・うわっ」

目の前にいたのは西谷だった。
僕を見てあからさまに嫌な顔を、していた。

「あれれー、これはこれは今野くんじゃないっすか!なにこの展開!」
「ちょっとーさっきの話聞いてたんじゃね?マジで涙目なんだけどコイツ!」
「うっわーかわいそっ」

ゲラゲラと笑う知らないクラスメイトに囲まれて、僕はどうしていいかわからなかった。
とにかく怖くて仕方なくて。僕は救いを求めるように西谷を見た。
でも、返ってきたのは救いなんかじゃなかった。

「なんかさぁ、お前は俺を友達とか勝手に思ってたみたいだけど、
俺はお前のこと、友達となんて思ってないから。
つか、キメェんだよお前。俺はただ罰ゲームでお前と友達ごっこしてただけなの。
わかったら明日から俺に話しかけてくんなよ」

呆然とした。
これは夢なんじゃないかと思った。
悲しかった。
怖かった。

もう、誰も信じられなくなった。


//


「今野・・・俺は」
「もう何も言うなよ!どうせ哀れだとか思ってんだろ!」
「違う、違うんだ今野」

そう言って七市が僕に手を伸ばしてきた。僕はそれを振り払う。
ぱしん、と無気力な音がした。
悲しくてしょうがなかった。

あの後、僕はまた一人になった。でも西谷達や、他のクラスメイトには笑われるようになった。
授業中で僕がミスをしたり、僕の発表の時間になったりした途端、教室中が僕を笑う。
親には言えなかった。誰も頼れない。誰も僕を救ってはくれない。
だから僕は全てに無気力になろうと思った。無関心に生きていたいと思った。
知らない誰かに笑われる毎日が、言葉にできないほどに、苦痛だった。

「お前もどうせ、罰ゲームとか言って僕を裏切るんだ」
「俺は、そんなつもりじゃ・・・!」
「嘘ついたって分かる。二度も騙されるほど僕はバカじゃない!」
「・・・・ごめん」

七市が僕に謝ってきた。ほら見ろ、やっぱり罰ゲームか。
何をしてきたって、無駄なんだ。僕はもう騙されない。もう誰も信じない。
信じたく、ない。

「もう消えろよ・・・。目障りなんだよ!」
「今野・・・」
「僕はもう騙されない。もう誰も信じない」

僕はさっき心の中で呟いた言葉を言った。
涙が止まらない。ほんとは、目の前の七市が怖くて仕方ないんだ。
どうせ掌を返して僕に罵声を浴びせるに違いない。そして、僕を笑うんだろう。
それがわかってるから怖くてしょうがないんだ。

「わかった・・・帰るよ」

七市はそう言って僕の前を歩き出した。
なぜだろう。悲しくてしょうがなくて。
ほんとは僕も期待していたのかもしれない。本当の友達になってくれるんじゃないかって。
でもやっぱり、嘘だった。
その現実があまりに悲しくてしょうがない。

どんどん七市が遠くなる。
僕は涙が止まらなかった。そして、僕は七市を呼んだ。

「七市!」

嘘でもいい。僕のそばにいてほしかった。
嘘でもいい。僕と友達になってほしかった。
嘘でもいい。僕を慰めてほしかった。

声は、七市には届かなかったらしい。気付いたら七市はもういなかった。
僕は悲しかった。でもこれでもよかったのかな、と思えた。
また傷つくよりはマシだったのかもしれない。
痛む胸を抱えて、僕は這いずるように赤い道を歩いた。
悲しいな。嗚咽が止まらない。さっきの七市の暖かな体温を思い出してまた涙が出る。

駅が見えてきた。赤い夕焼けも、もう闇に飲まれる。
僕のことも飲み込んでくれればいいのに。
空虚な瞳で夕焼けを見つめる。七氏はもう、帰ったかな。

「・・・七市」

ぽつりと口から零れ落ちた。下を向いて歩く。
焼けたアスファルトも、もう冷めてしまったのだろうか。
帰ろう。そう思った。

「今野!」

幻聴、だろうか。
それにしても僕は今日、何回名前を呼ばれれば気が済むのだろう。
もう気が狂ってしまったのかもしれない。

「おい!」

僕はゆっくりと振り向いた。
そこには七市がいた。
びっくりして声が出ない。

「・・・俺の名前、呼んだだろ」
「な、なんでここに、」
「呼んだんだろ?」

有無を言わせないその問いかけに、僕は静かに頷いた。
七市を見ると、少し落ち着いたようだった。
もう、きっと今しかない。僕は決心した。重い口を開く。

「う、嘘でもいいんだ」
「・・・なにが?」
「嘘でいい。嘘でいいからっ、」

だめだ、涙が邪魔をする。どうしようもなく情けなくなってきた。
それでも言わなければだめだ。きっと今しかないんだ。
縋りつくように僕は、声を出す。

「僕と、友達に・・・なってほしい」

七市は驚いているようだった。
ああ、終わった。
いろいろなものが終わりを告げた。
明日からまた笑われる日常が始まるんだ。

「・・・今野」
「い、嫌だよね。こんな奴と友達とか、気持ち悪いよね。わ、分かってるんだよ!」
「・・・・」
「僕だって分かってるんだ!で、でも僕は・・・」

言葉がつかえて声にならない。頭の中がぐちゃぐちゃだ。
嘘で満たしていた部分が急に空になったような感覚。
そして僕はさっき言ったことを猛烈に後悔していた。どうせ笑われる。
またキモいって言われるんだ。怖くて仕方がない。

「今野ってバカだな」

ぐさり、と言葉が胸に突き刺さる。
西谷に言われた言葉を否応なく思い出す。
涙がとりとめもなく溢れ出す。

「最初からそう言えばいいのにさぁ・・・ほんっとにお前はバカだ!」

あははっ、と屈託のない笑顔が降ってきた。
僕はびくりとする。
七市の顔を見るのが怖かった。怖くてどうにかなりそうだった。
すると、七市は僕の腕を引いた。

「わっ、」
「やっと、正直になった」

また僕は七市の腕の中にいた。外が暗闇になる瞬間。
暖かい。その暖かさが僕には優しすぎて。
僕は子供みたいに泣いた。大声で泣いた。

「俺は確かに罰ゲームでお前と友達になるように言われた」
「・・・・」
「でも俺は、その前からずっと、お前と友達になりたいって思ってたんだぜ?」
「え、」
「お前は確かに陰気で頭もそんな特別いいわけじゃないし、口下手だ」
「・・・・なら、」
「でも俺はお前と友達となりたかったよ」

七市の鼓動が聞こえる。

「どういう、意味」
「お前は、確かにどうしようもなく暗い奴だ。でも、すげえいい奴だ」
「僕はそんなんじゃ・・・」
「いい奴なんだよ」

そういって七市は僕から離れた。
僕は涙ながらに七市を見る。
七市は笑っていた。

「だってちゃんと、今泣いてるじゃんか」
「な、なし」
「大丈夫、お前は一人じゃない」

俺がついてる。
そんな三流ドラマでも言わないようなくさい台詞。
なのに、どうしてこんなにも嬉しくてしょうがないんだろう。
僕は、きっと救われたんだと思う。
誰でもない、この七市に。

「さて、もう日も暮れたし、かえんぞ」
「う、うん」
「・・・明日、八時にここ集合な」
「え?」
「一緒に登校すんだよ!遅れたらデコピンの刑に処すからな!」
「・・・うん」

僕は確かに堕落していたんだ。
一人じゃ立てない。そうやって泣いてばかりだった。
でも、七市が手を引いてくれた。だから僕は立ち上がろうと思えた。
明日もきっと、笑われるんだろう。
そう思うと体がこわばるけれど、もう大丈夫だ。
隣で七市が笑っている。それだけで強くなれるから。






完結です。読んで下さりありがとうございました!
グダグダで申し訳ないです・・・。
下に解説もどき。私の考えが入ってるので、そういうの嫌な人はバックプリーズ。




・なぜ七市が泣いたか
七市は今野がいじめられていることを知っていました。
そのきっかけも知っていました。
だから友達になってくれなんてちゃんと言えなかったんだと思います。
七市は確かに罰ゲームから今野と友達ごっこをしろと言われたようですが、本人はちゃんと友達になるつもりだったようですね。よかったよかった。笑

・七市の「お前はいい奴」発言の理由
クラスでやっぱり一人や二人は陰気な奴っていると思います。私もそんな感じでした。笑
ずっと声をかけてもらうのを待ってるというか。
今野はまさにそんな奴です。
でも嫌な奴ではない。掃除をきちんとやったり、見えないところで係の仕事をちゃんとやったり。
そういうところを七市は見てたんでしょうね。
あとはなんだろう、直感的にいいやつなんだろうなあって思ったのかもしれないです。笑
そういうのって結構あると思うんですよ。


解説までグダグダで申し訳ないです・・・。ほんとうに。
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。

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