季節外れの雪で今日も景色は真っ白なまま
君の手を握るほどの体温すら残っていない
白い景色の中で白い息を吐き出しながら君と歩く家路にて
君の発言の約八割が嘘だって僕は実は知っている
今日あったっていう科学の実験は僕のクラスが初めてやるって先生が言っていたよ
昨日あったという国語の先生の言い間違いだってそれは一昨日のことさ
僕はちゃんとわかってるんだよ 君の嘘を
それでも君は嘘を繰り返す
まるで本当にあったことのように君は嘘を吐き続ける
人間みたいな人形みたいだね
くるくると白い世界で舞う人形みたいな人間
とか言ってる僕も嘘をつかないような善良な人間などではない
所詮僕だって誰かの真似をしたがる人形みたいな人間さ
君だってわかってるんだろ?
だから嘘をつくんだろ?
嘘をついたときの罪悪感ほど、胸にのしかかるものはない
それと同時にどうでもいいかなと思う虚無感を覚える僕は重症かもしれないね
この病的なほどに白で埋め尽くされる現実が僕には恐ろしくて
君がこの白に埋もれてしまいそうで怖いよ
僕らは嘘をつき続ける
君は嘘を吐いて吐いて吐いて吐いて吐いて、笑う
泣いてるみたいに笑うんだろ?
人形みたいな人間みたいな僕は
人間みたいな人形みたいな君の手を握って
この病的に白い景色の中で白い息を吐気出しながら君と歩く家路にて
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